について
2017年(平成29年)夏、現状のホットメルト(EVA)材料でPUR方式で「本の開き」の良いものが出来ないかと試行錯誤が始まりました。当初ホットメルトの品番毎 およびゴム系糊にて使用温度を変えてみる、塗布量を変えてみる、にて作成してみました。
現状より本の開き具合が良く耐熱、耐寒、耐久に優れた製品つくりへのテストを繰り返しましたが、納得出来る製品にはなりませんでした。次にEVAから離れ、他用途の接着剤を探してポリオレフィン系の接着剤にたどりつきました。
製本用紙との相性、耐熱、耐寒、耐久性、糊の塗布量、使用温度、圧着時間、折本の背に入れるガリの向き、深さ、形状等 テストを繰り返して現在に至りました。
又、製本に対応出来るとして「製本用離細裂代ホットメルトの基準を満たしている」の認可を公の機関にてメーカー側に取得していただきました。
2018年夏に第1冊目の製本が初めて世に出ました、続いて第2冊目も納品されました。
特に第2冊目は糸綴り本を「POBB」に変えて作りました。これらの製品は問題なく使用されて現在に至ってます。又、その後も口コミにて使用が広まりつつあります。
このポリオレフィンの糊を製本で使用する事は、壷屋製本株式会社が初めてであります。
製本時特性として、表紙つけをして数分にて三方化粧断ちカバーかけ等が出来るようにもなります。
単価は PUR > POBB > EVA
製本は現在アジロ方式のみ、無線方式については研究中です。
公開本でも、PURでも、糸綴りでもない 開きの良い本「POBB」を目指しました。